日本人の1日1人あたりのエネルギー所要量は、30〜49歳の男子で平均2,550kcal、女子で2,000kcalといわれています。(第6次改定日本人の栄養所要量 より)
このエネルギー所要量は、各人の生命維持に必要な「基礎代謝」及び、生活活動に必要な「活動代謝」並びに、食物摂取に伴う「特異動的作用」の和とみなされています。
早朝空腹時、快適な温度条件下で静かにあおむけに寝ている時のエネルギー代謝をいい、一般的に生命維持のためのエネルギー代謝と考えられます。ただし、厳密にいえば、睡眠中の代謝はこれより約10%低いので生理的覚醒時の最低量です。当然年令、性別、体位によって異なりますが、一般成人男子の場合、1,500kcal、女子で1,200kcalと考えられています。
被災時の場合、健康な人であれば数日間この数値を下回っても大きな健康障害となることは考えられません。
しかし、幼児や病人については、体内でのエネルギー蓄積が少ないので極端な栄養低下は避けなければなりません。
食糧よりももっと大切なものが「水」です。「水のないところに生命はない」といわれるように、水は生命維持のために、最も必要な栄養素です。水さえ飲んでいれば、他の栄養素をとらなくてもかなり長時間生きられますが、水を断つと間もなく死んでしまいます。過去の事例からみて、人は断水すると約1週間くらいで死滅するもののようです。